「教員は世間知らず」という批判的なイメージが存在するのは事実です。その背後には、一定の理由があることを認識する必要があるでしょう。具体的には、教員という仕事柄、社会や他の職業に対する知識や経験が疎かになることが考えられます。
筆者は元教員ですが、「元教員だから世間知らず」と言われたことはありません。しかし、「あ、自分(元教員)って世間知らずだな」と感じたことはあります。
本記事では、教員が世間知らずと見なされる理由とそれを克服するためのアプローチを自身の経験を踏まえて考察していきます。
教員は世間知らずといわれる理由
- 専門知識に特化しすぎることによる経験の偏り
- 学校内での社会的な経験の不足
専門知識に特化しすぎることによる経験の偏り
教員の世間知らずのイメージは、教育者が自身の専門知識に特化しすぎることによって、社会や他の職業に関する知識が偏っているとされるものです。
教員は教育について豊富な知識を持っていますが、その専門性によって他の領域の情報や経験が欠けているといえます。このことは、教員という仕事柄どうすることもできません。教員はつぶしが効かない、と言われるのも専門知識に特化していることが原因でしょう。
筆者自身、教員の専門的な知識は転職先(一般企業)ではほとんど活かせませんでした。教育に関することはほとんど活かせません。逆に、コミュニケーション能力は活かせると感じました。
学校内での社会的な経験の不足
教員の世間知らずのイメージは、学校内での社会的な経験の不足によるものです。教員は長時間にわたって学校内で働くため、他の職業や現実の社会問題に直接触れる機会が制限されています。
このため、教育者は学校内の環境や教育に関する専門的な経験を重視する一方で、現実の社会や多様な社会的な背景に関する理解が不十分な場合があります。これが教員の世間知らずのイメージを形成する一因となっています。
また、教員というより公務員に共通していますが、利益を求めない点が一般企業とは全く違います。この点が「教員は世間知らず」の原点のように感じました。
個人的には、「一般社会・経済のことがわからない=世間知らず」のイコールがおかしい気もしますが。
教員は世間知らずと言われないために
- 学校外での経験や交流の促進
- 社会問題や変化の把握
学校外での経験や交流の促進
教員は学校内での業務に忙殺されがちですが、学校外での経験や交流は世間知らずを克服するために重要です。他職の友人を作るのがおすすめです。筆者自身、サラリーマンの友人から聞く社会やIT情報は貴重でした。
社会問題や変化の把握
教員は教室内での教育活動に専念する一方で、社会問題に関心を持つことが重要です。教員は自ら情報を収集し、教育に取り入れるべき現実の問題や社会的な変化を把握することで、教育内容をより現実的かつ意義深いものにすることができるでしょう。
とはいえ、教員の劣悪な労働環境を考慮すると、なかなか情報収集する時間はありませんが。
教員は世間知らずなのかまとめ
教員は世間知らずと言われる原因は「専門知識に特化・社会的な経験不足」でしょう。
教員の世間知らずを克服する方法は、学校外での経験や交流を増やし、現実の社会問題に関心を持つことです。他の職業や人々と交流することで現実の視点を得るべきでしょう。
これらの取り組みにより、教員は世間知らずと言われにくくなるかもしれません。